研究会概要

 アパタイトは鉱物名でリン酸カルシウム化合物である。骨や歯の主成分で、古くからリン酸肥料、蛍光体(蛍光灯)、排水処理材などの工業分野で広く利用されてきた。1975年に、アパタイトが生体親和性に優れていることを青木らにより見出されて以来、世界各国で人工骨や人工歯根への応用研究が始まった。現在では、アパタイトを利用した人工骨、歯根、医薬品や歯磨き剤などが世界で広く普及している。最近では光触媒であるチタンと吸着剤としてのアパタイトの複合材が、環境清浄化のための建材に利用され注目されている。一方重要なリン資源であるアパタイトは枯渇の危機にさらされており、30年後にはほぼリン資源は採掘されつくされると考えられており、リン資源のリサイクルはこれまで以上に重要になってくるであろう。

 日本アパタイト研究会は1985年に、青木(当時東京医科歯科大学助教授)グループ、金沢孝文(当時東京都立大学教授)グループ、吉村昌弘(当時東京工業大学助教授)グループ及び森脇豊(当時岐阜歯科大学教授)グループらにより設立された任意団体である。

 研究会組織は、会長、評議委員、幹事(2018年6月27日現在空席、本年度中の評議委員会で選出予定)、正会員、学生会員、名誉会員及び事務局により構成され、主な活動内容はアパタイトに関する研究発表会を主催することである。参加登録者数は約300名で、各分野で活躍している24名の評議員(2018年6月27日現在)が選ばれている。

 これまでに、23回の国内大会を主催してきた。アパタイト関連の研究に携わっている各大学、国立研究機関や企業のアパタイト研究者にとっては本会が研究発表、技術交流のための欠かせない場となっている。1991年と1995年に第1回及び第2回のアパタイト国際会議を日本で、2013年にはフランスナント市で第6回の国際会議を開催し、国内外に大きな反響を呼んだ。アパタイト国際会議は3年に1回開催する予定であるが、2016年予定の第7回国際会議は大会長(Prof. Larry L. Hench)の急逝により中止となっている。これら国際会議の運営にも日本アパタイト研究会が大きな役割を果たしている。

 日本アパタイト研究会主催の研究発表会は講演予稿集を発行し、毎回日本セラミックス学会、日本バイオマテリアル学会などから協賛を得、各学会誌に会告として研究会開催の案内を載せてきた。今後も年1回の研究会開催を目財している。なお、過去の行事には、ここにまとめてある。

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